
60代・一人暮らし・女性──
それは、いま最も「老後貧困」に陥りやすい条件だと知っていますか?
今回ご紹介するのは、65歳の女性・佐藤順子さん(仮名)のリアルな体験談です。
「貯金ゼロで迎えた老後」
「誰にも頼れない孤独」
「消費者金融に頼らざるを得なかった現実」
これは、決して珍しい話ではありません。
他人事と思っているあなたにも、いつか訪れるかもしれない老後の現実です。
夫の死で生活が一変──
順子さんは、20代で結婚し、2人の子どもを育てながらパートで30年働いてきた普通の主婦でした。
夫はまじめな会社員。堅実な家庭でした。
ところが、62歳のときに夫が突然病で倒れ、帰らぬ人に。
それをきっかけに、順子さんの生活は一気に崩れていきます。
遺族年金はあるものの、彼女自身の年金は月9万円程度。
「このまま一人で、老後を生きていけるのだろうか」
そんな不安が、日々重くのしかかります。
「ちょっとだけのつもり」で始まった借金
夫の死後、順子さんの暮らしに小さなトラブルが重なりました。
給湯器の故障、猫の手術、そしてカードの支払い遅延――。
一つひとつは“想定外の出費”ですが、生活に余裕がなければ大きな打撃です。
ついに彼女は駅前の消費者金融の看板を見て、
「30日間無利息」「すぐに借りられる」
という言葉に惹かれ、5万円を借りました。
「すぐ返すつもりだった」
「一時的なものだから」
でも、それは借金地獄の始まりでした。
年金9万円で、借金返済3万円
気づけば3社から借り入れ、借金は40万円以上に。
返済だけで毎月3万円近く。
そこから固定資産税、保険料、光熱費を払えば、手元に残るのはほんのわずか。
食費を削り、風呂は3日に一回、電気を夕方までつけずに過ごす――
それが、順子さんの「日常」になっていきました。
誰にも頼れず、声も出せない
「子どもには迷惑をかけたくない」
「生活保護は恥ずかしい」
そんな思いが、彼女を支援制度から遠ざけていきます。
そしてある夜、彼女はこうつぶやきました。
「もう、何もかも終わらせてしまいたい。
でも…猫がいるから、まだ生きてる。」
これは、実際に多くの高齢女性が抱える“見えない声”です。
一人で耐えている人が、どれだけいることでしょう。
専門家の視点:「これは、自己責任ではありません」
シニアライフアドバイザー・倉本玲子氏は語ります。
「60代以上の一人暮らし女性の3人に1人が貧困ライン以下と言われています。
この問題は、自己責任では片付けられません。」
行政には、生活困窮者支援制度や、緊急小口資金、住宅支援、社会福祉協議会の貸付制度など、さまざまな支援があります。
しかし、それを「知ること」「相談すること」自体のハードルが高いのです。
あなたや、あなたの大切な人が困ったときに
順子さんのようなケースは決して特殊ではありません。
老後の貧困は、誰にでも起こりうる“現実”です。
大切なのは、「孤立しないこと」「声を出すこと」「早めに相談すること」。
「まだ大丈夫」と思っているうちに、手遅れになる前に――
どうか、今日から“備える”ことを始めてください。
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