
「私は大丈夫」──その油断が命取りになる
高齢者を狙った投資詐欺が、今、日本全国で急増しています。
特に一人暮らしの60代〜70代女性が、被害の中心にいることをご存知でしょうか?
今回ご紹介するのは、70歳の田辺みつ子さん(仮名)が体験した、投資詐欺による老後破綻の実話です。
「年金だけじゃ不安」
「少しでも将来に備えたい」
そんな気持ちにつけ込んで近づく詐欺師たち。
この物語は、決して他人事ではありません。
退職金500万円。「少しでも増やしたい」その気持ちが…
田辺さんは、市役所勤務を30年以上続けた、まじめで堅実な女性です。
夫に先立たれ、子どもとは疎遠。年金は月7万円。
退職金500万円を頼りに、静かに老後を生きようとしていました。
そんな彼女のもとに、ある日旧知の知人から電話がかかってきます。
「元本保証で6%の配当がある投資があるのよ」
「あなたにだけ、特別に教えるわね」
“市役所関係の人もやっている”“医療施設に出資している”という触れ込み。
しっかりとしたパンフレットと配当実績も見せられ、彼女は信じてしまいました。
初めはちゃんと振り込まれていた「配当金」
400万円を出資した田辺さん。
最初の3か月間、毎月1万円の配当が振り込まれました。
「本当にちゃんとした投資だった」
そう思い、紹介者に感謝の電話までかけたそうです。
しかし、4か月目から突然、振り込みが止まりました。
電話もメールもつながらず、会社のホームページも消えている。
調べてみると、会社の住所はレンタルオフィスの一室。
口コミや法人登記の情報も見つからない。
そのとき、ようやく彼女は**「騙された」と気づいた**のです。
誰にも言えなかった。「信じた自分が恥ずかしかった」
田辺さんは、警察に相談しました。
しかし「自己責任」と突き放され、救済されることはありませんでした。
「バカだった…」
「どうして、あのとき誰かに相談しなかったんだろう…」
詐欺の被害だけでなく、自分への怒りと恥ずかしさが彼女を追い詰めました。
専門家が語る、シニア世代が詐欺に遭いやすい理由
シニアライフアドバイザーの倉本玲子氏は言います。
「詐欺に遭う人には、決して知識のなさや甘さだけが原因ではありません。
孤独、不安、そして“誰にも相談できなかったこと”が、最大の要因です」
高齢者を狙う詐欺の特徴は以下の通りです:
- **“元本保証” “高利回り” “あなただけに”**という甘い言葉
- 長期的な信頼関係の構築を装う
- 家族や周囲に相談させないよう誘導する
あなたが詐欺から身を守るためにできること
詐欺に遭わないために、倉本氏は次のようにアドバイスします:
🔹1. お金の話は、誰に言われても一度立ち止まる
特に「必ず儲かる」「元本保証」は、まず疑うこと。
🔹2. 一人で決めない
家族・信頼できる友人・行政窓口など、必ず第三者に相談する。
🔹3. 「自分は大丈夫」と思わない
詐欺師は、そう思っている人を狙ってきます。
「相談しなかった私が悪いの?」──そんなことはありません
田辺さんが悪いわけではありません。
悪いのは、人の弱さと信頼につけ込む卑劣な詐欺師です。
でも、あなたが声を上げることができれば、防げる未来もあります。
このブログを読んで「少しでも不安な話を持ちかけられたことがある」と感じた方、
今すぐ誰かに相談してください。
黙っていては、もっと大切なものを失うかもしれません。
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