
■ 「もう君はいらない」と言い残されて、彼女は出ていった
定年退職を迎え、ひとり暮らしを続けていた68歳の佐野さん(仮名)。
寂しさに耐えられず、60歳の女性と再婚したことが、すべての始まりでした。
「誰かと一緒に生きたい」
「老後こそ穏やかに暮らしたい」
そんな願いは、たった2年で打ち砕かれることになります。
■ 再婚当初は幸せだった。「やっと誰かが隣にいてくれる」
佐野さんは、10年以上ひとり暮らしをしてきました。
息子とは疎遠、友人とも疎遠。
朝、誰かと「おはよう」と言えることが、どれほど贅沢で心が癒されることか――
再婚相手の彼女が来てから、彼は久しぶりに“生きている実感”を味わったといいます。
料理もしてくれる、洗濯もしてくれる、笑ってくれる。
だから、彼女に家計を任せることにも、なんの迷いもなかったのです。
■ 貯金350万円が半年で半分以下に
通帳もキャッシュカードも彼女に渡し、年金も彼女の口座に。
「全部任せて」と彼女は笑いながら引き受けました。
最初はレシートも見せてくれていましたが、徐々に家計の中身が不透明になっていきます。
- 外食が増える
- プレゼントや美容室通いも頻繁に
- 彼女の実家への仕送り
- 通帳を見れば、残高は激減…
半年後、彼はようやく通帳を確認し、残高が48万円になっていることに気づきます。
■ 注意すれば「愛が冷めたのね」と返される
家計を見直そうと話し合いを持ちかけたとき、
彼女は言いました。
「愛が冷めたのね」
「お金の話ばかりで、心が貧しい人だと思わなかった」
それ以来、佐野さんは何も言えなくなりました。
「嫌われたくない」「壊したくない」
その気持ちが強すぎて、すべてを飲み込んだのです。
■ 通帳残高4,726円。医療費も払えず、もやしと卵の食事だけに
食費を削り、医者にも行けず、
自宅で腰痛に耐えながら湿布でごまかす日々。
冷蔵庫の中には卵1個、もやし1袋。
それでも、彼女はネイルを整え、新しい服を着て外出していく。
佐野さんは、自分だけが削り、自分だけが疲弊していることに気づき始めます。
■ 「私に何もしてくれなかった」と言い残して出て行かれた日
ある朝、彼女は突然いなくなっていました。
テーブルの上にはメモだけ。
「出て行きます。あなたには、何もしてもらえなかったから」
クローゼットも空、携帯もつながらない。
法律相談に行っても、事実婚のため返金請求は難しいと言われます。
佐野さんは、ただ呆然と座り込むしかありませんでした。
■ 愛されたいという“弱さ”につけ込まれる老後
佐野さんはこう語ります。
「再婚したのは、ただ寂しかったからなんです。
愛されたかった、誰かに必要とされることで、自分の存在を確かめたかった。
でもその代償は、あまりにも大きかった。」
■ 熟年再婚は、“感情”より“現実”を優先すべき時がある
愛するという気持ちだけでは、老後は守れません。
共に支え合い、共に生活を築く覚悟がなければ、
再婚は、人生を壊す契約になってしまうこともあるのです。
■ 「寂しさ」を埋めるつもりで、人生を差し出さないでください
この物語は、誰の身にも起こり得る現実です。
- 再婚を考えている方
- パートナーに家計を任せている方
- 老後の人間関係に不安を感じている方
そんなあなたに、「自分を守るための線引き」を持っていてほしいのです。
熟年再婚 #老後破綻 #愛の代償 #貯金ゼロ #年金生活 #高齢者トラブル #再婚失敗 #男性の孤独 #老後の落とし穴 #愛と金
✍ 編集後記
老後は、第二の人生ではなく、**“人生の最終章”**です。
そこに誰を招き入れるのか――
あなたの選択ひとつで、残りの時間は大きく変わってしまうのです。