■ 「まさか、また恋ができるなんて…」70歳女性が信じてしまった“再会の奇跡”
夫と死別して7年。
息子は独立し、ひとり暮らしの生活に慣れきっていたという本田澄江さん(仮名・70歳)。
ある日、商店街で偶然出会ったのは、高校時代に付き合っていた“初恋の人”でした。
「澄江ちゃん?」
50年ぶりの再会。
まるでドラマのような出会いに、彼女の心は震えました。
■ 毎週の再会、よみがえる記憶。「昔のままの彼」に惹かれていった日々
ふたりはすぐに親しくなり、毎週金曜の午後に喫茶店で会うようになります。
当時の思い出、若い頃の話、通学路、文化祭――
次々によみがえる記憶と、穏やかに流れる時間。
「変わらないね、澄江ちゃん」
「また会えて本当によかった」
その言葉に、澄江さんは“過去の続き”を歩き出したような気持ちになったといいます。
■ 「実は今、ちょっと困ってて…」差し出したのは、信じる気持ちだった
ある日、彼がぽつりと打ち明けました。
「仕事を辞めてしまって、来月の家賃が…」
「病院にも行きたいけど、お金が足りなくて…」
澄江さんは、「少しなら力になれるかも」と言って、最初に1万円を渡しました。
それは“愛の証”であり、“思い出に対する信頼”でもありました。
そこから、金額は次第に大きくなっていきます。
■ 「一緒に暮らそう」そう言われたとき、澄江さんは本気で信じていた
「君ともう一度、人生をやり直したい」
「一緒に生きていこう」
彼のその言葉を、澄江さんはプロポーズのように受け止めたといいます。
そして自ら通帳を整え、貯金を切り崩し、住まいも2人で暮らせるように整え始めました。
最後に彼に渡した額は、100万円を超えていたそうです。
■ そして、突然の失踪。「連絡が取れない」地獄の始まり
金曜日の午後、いつものように喫茶店で彼を待っていた澄江さん。
けれど、彼は来ませんでした。
電話も出ず、LINEも未読。
翌日も、1週間後も、連絡は一切なし。
彼の言っていた住所を訪ねると、そこに彼の名前はなく、住人すらいなかった。
彼は、完全に姿を消していたのです。
■ 「信じた私が、バカだった」詐欺にもならない“愛の搾取”
警察にも相談しましたが、
「自発的に渡したお金なので、詐欺として立件するのは困難」と言われました。
借用書も振込履歴もない――
澄江さんの行為は“恋愛の延長”とみなされ、法的な救済は難しいとされてしまいます。
■ “誰にも言えない傷”と、孤独の再来
「息子にも、友達にも言えませんでした。
だって、70歳にもなって恋愛で騙されたなんて…恥ずかしくて」
澄江さんは、再び静かな一人暮らしに戻りました。
でも、心の中には空洞が残っています。
“愛されたかった”という気持ちが、すべてを壊した。
■ いくつになっても、人は愛を求める。だからこそ注意が必要です
澄江さんのように、
過去の思い出や寂しさに揺れた心を狙った詐欺、搾取は、今増え続けています。
- SNSでの元恋人との再会
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**「そんなはずない」「私は大丈夫」**と思っている方こそ、
一度立ち止まって、冷静に見つめてください。